VR勉強会|バーチャルリアリティー技術の進化

2018/3/7(水)、co-lab渋谷キャスト1Fラウンジにて、co-factoryを運営する株式会社SpiralMindによる勉強会が開催されました。

今回は、SpiralMindのパートナーであるデジタルハリウッド大学院教授の三淵啓自氏をお招きし、テーマは、「バーチャルリアリティー技術の進化、HMDと3Dシミュレーション技術」。

テーマがやや難しいと思いますが、VRは最近ではゲームなどのエンターテイメント業界のみならず、ビジネスや医療などにも活用され始め、誰にでも扱えるようになってきています。多様化したデバイスや、それぞれの技術の違いや、応用や展望などをVRのシミュレーションの制作の仕方やデモなども交えながら紹介していただきました。

三淵先生は、スタンフォード大学コンピューター数学科修士卒業後、サンタクララの研究所にて人工知能や画像認識の研究に携わり、情報空間と現実空間の融合についての研究などをされている、この技術においての第一人者でもあります。最近では、総務省管轄で行われたデジタルコンテンツの管理流通、ルール整備促進事業ではデジタルコンテンツの著作権、二次創作についてどのように管理していくかの実験をされたとの事。今後、デジタルコンテンツの二次創作も含めてコンテンツの価値がどう評価されていくかで、ビジネスモデルも大きく変わるとお話がありました。

そして、バーチャルリアリティー(VR)の本題に入るのですが、三淵先生は、人工知能とVRは別々の研究ではなく、一緒に概念を整理しているそうです。
人工知能は、人間の思考、意識を、シミュレーションする技術でもあり、VR内においては、人と同じふるまいをする存在になりうるとのこと。
また、VRは仮想のものではなく、人間の五感の情報を再現(シミュレーション)し、それにより現実を再現する技術であり、仮想ではないと言われておりました。
まさしく映画のマトリックスですね。このような世界観を目指しているそうです。

その後は、最近になって普及し始めたヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display:HMD)の歴史と、現在発表されている製品の特徴などについてご説明していただきました。
最初のHMDはなんと1968年に生み出されていたとのこと。そして、Oculus Riftの登場後、「GearVR」「HTC Vive」「PS VR」などが登場してVR技術が一般の家庭にも非常に近いところまできたということです。
他にも、現在主流のディスプレイに映し出したものを見るHMDではなく、人間の網膜に直接映像を投影するタイプも出てきているとのこと。
軍事用などに使われているそうです。これらの中で、三淵先生が一番気にいっているものは、Microsoft社がリリースしている「HoloLens(ホロレンズ)」だそうです。これは、現実の世界とホログラム映像をミックスすることのできるMR技術が用いられています。小さなPCを実装しているので、外部のデバイスが何もなくても空間と現実が一体化できやすいところが素晴らしいとのこと。
これらのデバイスはco-lab渋谷キャストにある工房「HoloDive」にも用意してありますので、ぜひ体験に来てください!

ただ、三淵先生はこれらのデバイスを使って何を提供するか、どんな価値を提供するかが一番大事と言われていました。デバイスはまだまだ価格が高いので、コンテンツなのか、自分にとってどんな価値があれば購入するまでに至るかはやはり大切なことだということ。

その後、質疑応答に入り、参加者の皆様からは、現在のご自身のビジネス的な観点でのご質問や、現状の環境やコンテンツについてのご質問などが飛び交いました。

最後に印象的だったのは、現状何が足りないかのご質問に対して、データが圧倒的に足りていない、自分自身の3Dデータ持っていますか?との回答でした。
自分の3Dデータを自身で所持するようになってから、スマートフォンが普及したように大きく環境が変わってくるとのお話で、勉強会を締めくくりました。
次回の勉強会は、AI・データ解析を題材にしたテーマ「AI・データ解析の現場で起きていること」です。ぜひお越しください!

[株式会社SpiralMind:山田里奈]