チームで作る、魔法をかける本|千吉良美樹さん

co-lab二子玉川オンラインプレゼン会レポート、岩野さんからバトンタッチして3人目は、エディターの千吉良美樹さんです。

東海ウォーカーの編集部やサイゾーの編集部など、大手出版社で経験を積まれたのち、出版レーベルHagazussa Books(ハガツサブックス)を設立し個人出版社としてご活動されています。
「Hagazussa」は、ドイツ語の「Haga(垣根)」と「Zussa(女)」で「垣根を越える女」を意味し、「Hexe(魔女)」の語源にもなった言葉だそう。
本を通じて読んでくれた人の可能性や選択肢を広げたり、「本で魔法をかける」という気持ちを込めて名付けられたという素敵なエピソードを持ったレーベル名です。

版元で雑誌作りや写真集に携わり、「もっといろいろなことがやってみたい」という思いでフリーへ転身。書籍やWebの編集まで幅広くこなすフリー編集者・フリーライターとして活躍される中で、書籍に関する思い入れが強く、力を入れてやっていきたいと出版レーベルの立ち上げに至ったとのこと。

今ではハガツサブックスから、インフルエンサーとして人気のみたらしさんのエッセイ、経営コンサルタント坂口さんのビジネス書、カメラマン菅野ぱんださんの写真集、保護猫カフェのコミックエッセイなどジャンル問わず出版しています。

また、編集プロダクションとしてフォーブス、MOREなど雑誌の仕事やWEBメディアの編集も。編集としては企画立案からスタッフィング、ディレクションまでされるそうです!
デザイナーやライター、イラストレーターなど自分以外の人々と「チーム」で働きながら作り上げるのが自分の仕事、と語る千吉良さんは、ご入会後すでに積極的に他のメンバーさんとコラボされており、co-labでもまさに「チーム」でのお仕事を体現されているなと感じます。

参加者からの「紙媒体の未来は?」という質問に対し、「インディペンデント系レーベルの増加でマニアックな本が増えていて、爆発的ヒットはなくても読める内容という点ではより濃く、ジャンルも多くなっているので、紙媒体が形としてなくなることはないと考えている」との力強いお答えが。
千吉良さんの「インプットは紙、アウトプットはWeb」という方はまだまだ多いのでは?という指摘にも個人的にはとても納得感がありました。

電子書籍は予算が抑えられる分、とくに海外向けのものは電子書籍に可能性があるのではと考えている、など、本好きとしては興味深い裏話も聞くことができ、もっといろいろな本に触れてみたいな、と感じるプレゼンテーションでした。

次回は最後のプレゼンター、鶴岡直人さんのレポートに続きます。

(co-lab二子玉川 コミュニティ・ファシリテーター増山)