企画から運営まで、映像・配信でイベントを支える縁の下の力持ち|株式会社Piic 郷大助さん

映像・イベントの企画、運営を行う株式会社Piicの郷大助(ゴウ ダイスケ)さんにお話を伺いました。

もともとSONYで15年間ほどサラリーマンとして働いていたという郷さん。カメラ事業部で商品開発や、海外に駐在してマーケティング担当をされるなど、さまざまなご経験を積み、最終的に五反田にあるSony CSLでの新規事業立案を経て、スピンアウトするかたちで株式会社Piicを設立されました。

CSL時代、郷さんは金融関連のプロジェクトメンバーで、その中でも、マーケットがあり流動性が確保されている株式などの無形資産ではなく、有形資産での投資に関する取り組まれていたとのこと。金融的な考え方を有形資産と融合して新たなビジネスができないか、という点から発展し、2020年のPiic創業当初は、映像機材のシェアリング事業をメインとしていました。

遊休資産を流動的に動かしていくようなビジネスモデルを社会実装するため、実際にアプリをリリースして事業を推進していましたが、新しいビジネスはなかなか浸透させるのが難しいというのが実情。経営危機という状況も意識せざるを得ない中で打開策として焦点を当てたのが、「カメラ」「映像」といった、これまでの郷さんの経験値でした。コロナ禍でライブ配信の需要が高まっている中での創業だったため、徐々に映像事業やイベント運営、その事務局業務といった方面に事業を拡大していったそうです。

現在仕事の中心となっているのは、企業イベント、学会、シンポジウムの運営事務局業務。これらの催事で使用する各種機材を自社で持っているということが、Piicさんの大きな特徴の一つです。この主軸となる業務に紐づき、ブランディング支援や映像制作、オンライン配信といった仕事も引き受けるようになりました。

例えば、経済産業省主催のシンポジウムでは、開催に伴う会場手配や、海外からゲストを招く際の手続き、配信のための事前準備等、催事全体を事務局として取りまとめを担当。

また、JASRAC主催のイベントでは、郷さん自身が音楽著作権DXプラットフォームの開発に企画段階から参加しており、戦略策定、コミュニティビルディング、web制作等幅広くかかわっていらっしゃったそうです。

そのほか、もともと所属していたSONY CSLのオープンハウスにて研究内容を発表するライブ配信の仕事を請け負うなど、様々な取引先とのお仕事をされています。

 

最近の案件としては、海洋研究開発機構(JAMSTEC/ジャムステック)とのお仕事についてお話しいただきました。

Piicさんが関わっているのは、来年秋の竣工を予定している、日本で初めての砕氷機能を持った研究船「みらいⅡ」のプロモーション。部分ごとにブロックを分けて船体を組み立てていく独特の建造方法をとっている「みらいⅡ」の建造風景を撮影する等、PR番組の制作を進めているとのことです。「みらいⅡ」を擬人化したキャラクターを登場させるなど、担当者の方の希望もあり工夫を凝らした映像となっています。

また、未来の日本を生きる子どもたちにも温暖化が影響を及ぼす可能性がある地球の現状を知ってほしいと、一般公募で子どもたちを集め「北極調査隊キッズ」として実際に番組に出演してもらうといった企画も進行中。とても熱量の高い子どもたちが集まり、番組だけではなくイベントにも出演することで研究のPRを進めていこうと計画しているとのことでした。

今後の展望については、「官公庁系の案件も多いため、その際に培った対応が活きるようなお客さんとの仕事、また、英語で仕事ができるメンバーが何名かいるので国際的な仕事ももっと増やしていきたい。自分たちの強みを活かしてビジネスを広げていきたいと考えている」と仰っていました。

 

前職の経験を元にPiicを立ち上げた郷さん。初期のサービスの試行錯誤の中で出会ったカメラマンやクリエイターとは今も一緒に仕事をすることがあり、これまでの経験も全て今に繋がっているのだと感じているそうです。

co-labに入居しているほかの会員の方とも、すでにいくつかお仕事のコラボレーションが進んでいるとのこと。

これまで以上に幅広いご活躍を視野に入れているPiicさんに、今後も注目したいと思います。

 

<Piicさんのお仕事はこちらからご覧になれます>

株式会社PiicのHP

 

(co-lab五反田 with JPRE コミュニティファシリテーター安藤)