海と人の健全なバランスを実現|UMITO Partners/村上春二さん

村上さんは、海・漁業のサステナビリティに関するコンサルティングに携わって約10年、2021年独立と同時にco-lab渋谷キャストへご入会いただきました。
現在はUMITO Partners社の代表として、“海と人に寄り添ったソリューションデザイン“を専門にコンサルティングをされています。

さまざまな切り口でサービスを展開されていますが、中でも生産者との距離が最も近いのは漁業プロデュースだそう。科学的な裏付けをもとに「どのような餌に変えるべきか」や「ロスや乱獲の元となる混獲をどのように軽減するか」など、環境や生態系を守りながらも、より獲れる・儲かる方法の提案を行っています。

また、そういった取り組みをしている生産者と、サステナブルなシーフードを求めるシェフとのマッチングサービスも実施。単に卸し先として紹介するだけではなく、コラボレーション商品の開発なども行っているそうです。
さらにそれら加工品をふるさと納税の返礼品することで、地域の税収UPにつなげるソリューションデザインもされています。

<魚が増える→漁師が増える→漁獲量が増える→税収が上がる→投資ができる>という一連の流れと循環を生み出し、経済の活性化によって地域そのもののサステナビリティにも貢献したいと話されていました。

こういった取り組みのベースにあるのは、村上さんの自然への思いです。
元来釣り好きで、フライフィッシングで各地を周る中、環境保全への思いが高まったと話す村上さん。現状にNOを叫ぶだけでは変えられないと気づき、「みんなが守りたいと思うような“仕組み“を作らなければ」という考えにシフトしていったのだそうです。その後環境団体等でのご経験を経て、ビジネスによるソリューションを提案する、現在の形に至ったということでした。

お話を伺っていて驚いたのは、大きな仕組みをつくる場合でも、そのためのアプローチは「個」に対し地道に行っているという点。
行政や漁協といった団体単位で捉えるのではなく、リーダーやキーマンとなる人物を探し当て、個へのアプローチを重ねることを心がけているそうです。個を少しずつ集めて、大きな力にしていくのだと話されていました。「原始的と言われても、信頼関係を作る上でもこれが正攻法だと思っている」と話す姿に、村上さんの誠実なお人柄が感じられました。

開業初年、多くのプロジェクトを走らせている中で、今まさにco-labで求めているのはクリエイティブ分野での協力者だそう。問対提起や情報発信を行うため、フックとなるような映像やグラフィック、課題解決のための商品開発など、クリエイターならではのアイデアを求めていらっしゃるとのことでした。
終了後参加されたメンバーからは地元の海に思いを馳せた質問もあり、心を動かされたメンバーの方が多かったようにお見受けしました。お繋ぎはスタッフにてサポートさせていただきますので、co-lab内での素敵なコラボレーション、ぜひ期待しております!

(co-lab渋谷キャスト コミュニティ・ファシリテーター髙橋)

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